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今なお受け継がれる「主基田」
~主基田伝承地保存会~

田植えの様子の写真

円形状の特殊な形状をした主基田。

撮影日:平成28年5月21日  撮影場所:加賀郡吉備中央町

 岡山県吉備高原地帯に位置する加賀郡吉備中央町豊野地区で今なお脈々と受け継がれているのが、主基田(別名、ゆり輪田)です。主基田とは、天皇が即位後初めて行う新嘗祭である大嘗祭で主基の神饌とする穀物を作る田のこと。吉備中央町役場から5分ほどクルマを走らせると山間にひときわ目立つ円形状の水田が姿を現します。それは約3aの円形状とそれを取り囲むように周囲ほ場約4aで形成する特殊な形状。周囲の水田より数十cmほど高い位置にあり、ほとりを流れる矢野川から清らかな用水を直接給水し、地元有志の主基田伝承地保存会が保存管理しています。平安時代頃から大嘗祭に献上する米を栽培した主基斎田跡であると言い伝えられており、今も伊勢神宮に献上し、古き時代の姿を今に残している貴重な史跡です。昭和56年頃ほ場整備事業で存続が危ぶまれた時期もありましたが、地元有志の強い要望で今もなお当時の形を残しています。平成2年の今上天皇即位の礼では、この田で収穫した米を庭積机代物として献上した。さらに、平成26年の新嘗祭にも献上した功績があります。

 今後も主基田は、地域のシンボル的存在としての役割が期待されるほか、少子高齢化と人口減少の中で次世代へ保存・伝承がますます重要性を帯びてきています。そのため、次世代への伝承活動と地域活性化の一環として、地元の豊野小学校の児童を対象に、農業体験学習を兼ねて、毎年5月の第三土曜日に田植え、9月第三土曜日に稲刈り体験を実施しています。この活動は、保存会を設立した昭和54年から続き、次世代を担う子どもやその保護者に末永く伝承していくため欠かせない活動となっている。地域内外へのPR活動も行っており、秋の収穫時期に合わせ主基田周辺を会場とし案山子祭りを開催しています。

伝承地の石碑の写真

伝承地には石碑が立っている。

 5月21日、今年も田植え作業を行い、豊野小学校5年生とその保護者や、保存会のメンバーら約40人が参加しました。田植えは保存会メンバーの指導で、昔から続く手植えでの作業です。作付品種は「ヒトメボレ」で約6俵を収穫予定。保存会の下山親志さん(66)は、「保存、伝承を続けていく中で、地域への愛着心と地域の賑わいが生まれてくれればこの上ない」と今後を見据えました。