JAガンバレ農業!
【第45回】

耕畜連携で、放牧を開始
~田土放牧組合~

(吉備中央町田土)取材日:平成27年11月24日
牛の生育状況を確認するJA職員の写真

牛の生育状況を確認するJA職員

JAびほくは、今年度から放牧を本格的に取り組みだしました。管内では6団体が短角牛や黒毛和牛の放牧をしています。JAでは子牛販売収入やブランド牛「備中牛」とのタイアップも将来的な視野に入れ、黒毛和牛の繁殖雌牛放牧を主に推奨しています。

今年放牧を開始した地区の一つが、吉備中央町田土にある田土放牧組合です。構成員は3人と少数精鋭で、環境保全・耕作放棄地解消を目的としています。農業生産法人が地域住民から借用する約1.5ヘクタールの耕作放棄地を有効利用する方法を模索していたところ、JA職員の勧めで放牧は始まりました。

今年7月上旬に2頭の妊娠牛を放牧し、秋には雄子牛と雌子牛が誕生しました。農業生産法人は、トウモロコシや50品種にも及ぶ多品種のブドウと秋冬野菜を作付しています。放牧経験のない田土放牧組合は、赤毛短角牛の放牧経験のあった農業生産法人へノウハウを指導してもらいました。しかし、農業生産法人も高梁市管内で従来から放牧を実施していた他の団体から「エサが少なくなる冬季の間だけ預かって欲しい」との要望で耕作放棄地利活用のため放牧を経験したのみです。

放牧された牛の写真ハウス内

のびのびと駆ける姿は、癒しの一つです

発情はもちろん種付けなど知識のない中で、獣医やJA職員の協力を得ながらの日々が現在も続いています。エサの配合にも試行錯誤が続いています。農業生産法人が作付するブロッコリーやトウモロコシ・ブドウなど収穫する過程で出たクズ野菜やクズ果物を食べやすい大きさにカットし、試験的に日量約30kg前後を親牛に給餌しています。通常より多めのクズ野菜やクズ果物を乾燥牧草と一緒に給餌する例がほかにないため、日量給餌量や給餌順序など獣医やJA職員と試行錯誤しています。

放牧牛といえども、エサ代など維持管理コストがかかる現状があります。組合の山本陽子代表は「クズ野菜や果物の有効利用の形が、牛への給餌だ。給餌は、喜んで牛も食べる上にエサ代の削減にも繋がる。しかし事例がないため、手探りの状態。クズ野菜や果物をエサの体系に組み込んだ場合、牛への影響などを今後JAやJA関連団体に研究し、指導して欲しい」と要望を寄せました。

エサ代などのコスト低減と肉質改善などのため、JAが今年度から放牧と並行して本格導入したのが稲子実発酵飼料(=稲SGS)です。稲子実発酵飼料の給餌を、放牧牛の現在のエサ体系に組み込み、エサの技術体系を確立しようとしています。田土放牧組合においても、稲SGSを給餌予定です。

さらに、山本代表は放牧が観光資源になるとの見方も示しました。牛を見慣れていない人にとっては「のどかで平和な光景」「幸せな気分になる」との声も上がっています。

今後田土放牧組合としては、子牛市場への出荷で収入確保するとともに、頭数を維持しながら労力軽減やコスト軽減に努めていく方針です。

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