JAガンバレ農業!
【第54回】

循環型里山農場を目指し、Iターン
~吉備中央町豊野、健託農場(代表:岡田拓真さん)~

(吉備中央町豊野)取材日:平成28年2月27日
鶏を抱く岡田さんの写真

吉備高原の豊かな自然を生かし、循環型里山農場に挑戦中だ。

吉備高原地帯に位置する吉備中央町で、循環型里山農場を目指しに就農したのが健託農場で代表を務める岡田拓真さん(27)です。岡田さんは、岡山市内からのIターン者。9年前に家族全員で、田舎暮らしと農業に魅せられ吉備中央町に移住し、本格的に4年前就農を果たしました。学生時代に畜産を学んだ岡田さんは、「自然豊かな地域で自分の力で農業に挑戦したい」と循環型里山農場を開きました。

岡田さんが目指す循環型里山農場とは、農薬・化学肥料を一切使用せず、手作りした有機質の肥料・堆肥や餌のみを使用し、野菜栽培や家畜飼育をすることで、農場内ですべてをまかない循環していく農業本来の姿を再生する農業形態です。約1haを管理する農場では、年間約150種類の野菜栽培とアイガモ農法を利用した水稲栽培の傍ら、ニワトリにストレスを与えない平飼いで約97羽を飼育しています。

鶏の写真

純国産鶏「岡崎おうはん」に順次切り替えし、自家生産を目指す。

ニワトリ飼育では、有精卵を産ませ、今年3月からは孵化にも挑戦し、孵化からタマゴ出荷まで全て自家生産でまかなえる予定です。堆肥は、土手の草・米ぬか・ニワトリのフンを合わせ、冬の間に発酵させ作り、春がくると畑に混ぜ込みます。ナス・ピーマンなど実がつくものには、米ぬかなどで作ったボカシ肥料を追加するなど野菜の成長に合わせ工夫を凝らしています。岡田さんは「肥料には、米ぬか・鶏のフンが欠かせないので、お米を作ること・ニワトリを飼うことは野菜を育てることに深く関係している」と野菜と家畜との重要性を強調します。

現在では、大根やニンジンなど一般的な家庭野菜栽培の傍ら、チコリ・コリンキーなどホテルやカフェなど飲食店が好む珍しい野菜を栽培しています。農場立ち上げ当初は、一般に流通している野菜を中心にJA直売所「かよう青空市」へ出荷を開始しました。POP・シールなどを工夫し販売しているうちに、直売所に新鮮な野菜を買い付けにきた飲食店シェフの目に留まったことで、販路拡大への糸口をつかみました。珍しい野菜の栽培もシェフからの要望によるものです。「シェフの目はやはり厳しい。しかし昨年ぐらいから『良いものだ』と褒めてもらえるようになった。プロの意見は、やはり自信に繋がる」と岡田さんは笑顔を見せました。

卵の写真

「岡崎おうはん」の有精卵を出荷している。

プロ向けの販売にも力を注いでますが、個人向け販路にも特徴があります。直売所出荷と並行して、日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」内の「産地直送便」コーナーを利用し、全国の消費者へこだわり抜いた野菜セットやお米を直送しています。主には首都圏や京阪神の消費者で、リピーターも多く喜びの声が届いているといいます。

「消費者皆さまの健康を託してもらえる相手として当農場を選んで欲しいという願いを込めて家族で『健託農場』と名付けた。消費者に野菜・タマゴ本来の美味しさを味わい、毎日新鮮な農畜産物を食べ健康に過ごして欲しい。今後、初心を忘れることなく少しづつ実績を積み上げ、消費者から一層信頼される農場作りをしていきたい」と将来を見据えました。

【HP】http://健託農場.com/