JAガンバレ農業!
【第56回】

農業はクリエイティブで楽しい仕事
~ブドウ農家(山の上農園、吉備中央町 大谷悠介・亜希さん)~

(加賀郡吉備中央町)取材日:平成28年4月23日
大谷さんの家族が並んだ写真

農業とともに家族の笑顔がある。大谷さん家族の挑戦が始まる。

「農業はクリエイティブで楽しい仕事。日々の生活で食農教育もできる」と笑顔を見せるのが、大谷悠介さん(38)と亜希さん(36)の夫婦です。

大谷さん夫婦が農業経営をするのは、標高約300mの吉備高原地帯に位置する吉備中央町上竹。ここで、「ニューピオーネ」、「シャインマスカット」やクイーンニーナなど5品種を50aで、さらに吉備中央町特産の黒大豆を主体とする大豆を30aで栽培しています。この地域は、昼夜の寒暖差を利用した大粒で甘く、岡山県の特産品でもある「ニューピオーネ」の栽培が盛んで、岡山県産「ニューピオーネ」の出荷量・販売高とも県内トップを誇るJAびほく管内です。

作業をする大谷さんの写真

苦悩の中にも農業への情熱は消えることがなく新たな挑戦を続ける大谷悠介さん。ビニール張りが終盤を迎えた。

大谷さん夫婦は、東京から7年前に移住し、吉備中央町農業公社が行う2年間の農業研修を経て、平成23年4月就農しました。元々非農家である夫婦は、「田舎で子育てをしながら、何か二人で経営したい」という想いがありました。その中の選択肢の一つ「農業」に魅力を感じていました。関東地方で開かれた就農相談会で、岡山県産ニューピオーネの魅力に惹かれ、「ニューピオーネ」の産地であることと他の地域よりも就農支援制度が充実していたためです。栽培していく中で、消費者へ納得した農産物を届けるには、安全・安心と美味しさは欠かせません。「わが家の自慢のブドウです」と胸を張れるようになったのは、平成26年から。就農当初は、思い描いていた農業とのギャップを感じながらも、栽培へのこだわりを模索し、土づくりの重要性が見えてきました。作物の基礎となる土づくりを重視することで、堆肥などの有機物を多く取り入れ肥沃な土壌形成に繋がります。大谷さん夫婦は「土づくりは、消費者には見えない影の努力。それこそが、良質で美味しい農作物となり、販促面では強みがあるセールスポイントとなるだろう」と話しました。

ブドウと大豆栽培の傍ら、自らが目指す農業の形も徐々にみえています。「ブドウ栽培は、消費者と関われるのが約2か月程度。もっと消費者と接することができないか」と考え、大豆を有効活用した6次化へたどり着きました。今年は、国連が制定した国際豆年。記念すべき年に、自分たちで栽培した大豆で豆腐などの加工品を今年の冬から挑戦し、農業経営安定化への一歩を踏み出す構えです。

さらに農業の魅力について、悠介さんは、「家族経営という小さな経営体だからこそ、栽培から販売戦略や販促ツールに至るまで一つひとつのことを納得し作り出すことができる。可能性・選択肢を多く含む農業の楽しさが、そこにある。だからこそ、農業はクリエイティブで楽しい仕事だ」と農業の魅力を話しました。亜希さんも、「将来的に田舎暮らしと農業を通じて、旬や四季を味わえる幸せを感じ、食が大切だと認識できるような子育てに繋げていきたい」と食農教育の重要性に触れました。目指すは、クリエイティブで6次化をする農業です!