JAガンバレ農業!
【第60回】

県内初!稲子実発酵飼料を食べた半黒豚
~真庭市、新田養豚~

(真庭市北房地区)取材日:平成28年10月3日
JA担当者とLWB豚の生育状況を確認する新田善洋代表の写真

JA担当者とLWB豚の生育状況を確認する新田善洋代表

岡山県内で初めて稲子実発酵飼料を食べた黒豚をかけ合わせた半黒豚「米LOVEポーク」が登場しました。半黒豚を飼育したのは、真庭市にある新田養豚。TPP(環太平洋経済連携協定)の承認審議が進行する中、農業重要5品目の一つに挙げられた豚肉だが、関税の完全撤廃こそ免れたものの段階的な関税引き下げで、生産者は依然として厳しい状況となっています。今後TPPによる安価な輸入豚肉の更なる増加への対抗と、他国や国内他産地との差別化を図り、生き残りをかけよう考案したのがオリジナル豚である半黒豚です。

輸入豚をはじめ通常一般流通している豚は、LWD豚。ランドレース種と大ヨークシャー種をかけた雌のLW種にデュロック種の雄をかけあわせたもの。その一方で半黒豚は、通常のLW種の雌に黒豚であるバークシャー種をかけ合わせたLWB豚。近年黒豚の人気が高まりを見せる中、それぞれの種がもつ特性を生かし、肉質が良好なバークシャー種をかけあわせた形です。バークシャー種は、肉質が良好な上、旨味が上がり市場価格も高いため、更なる食味の良さを狙いました。昨年試験的にバークシャー種を人工授精し飼育したところ食味が良好であったため、昨年12月と今年2月に種豚2頭を導入し本格飼育を開始しました。

LWB豚の写真

LWB豚

新田養豚では食味向上と地域農業の耕畜連携に寄与するため、飼料にJAが推進する稲子実発酵飼料(=SGS、ソフトグレインサイレージ)を配合し給餌しています。稲SGSを給餌することで、抗酸化作用があるオレイン酸含量が増加し旨味が向上するメリットがあり、現在では全体の飼料の約20%をSGSに置き換え給餌しています。9月28日にはJAびほく営農生産部畜産課主催で、本店(高梁市中原町)でJA職員を対象とし、通常のLWD豚と半黒豚のLWB豚の食べ比べ試食会を開催。試食した職員からは「半黒豚のほうが、色が濃く、豚本来の旨味がして美味しい」と声が上がりました。

今後の課題は、ロットの拡大と販路の選択です。現在1回の出荷量の3分の1を、LWB豚を出荷しています。現在はまだロットが小さいので大型量販店への販売は難しいため、JAや関係団体と販路と販売戦略を模索している状況。JA担当者も「味には自信がある。当面は売り場を確保することが先決だ。徐々にロットも拡大し多くの人に半黒豚を食べてもらいたい」と意気込みました。新田養豚の新田善洋代表(53)は「今後LWB豚を増頭し、差別化及びブランドを確立していく方針だ。安全・安心のもと消費者の『美味しい』という声に応えるためにも、より一層信頼性を高めていきたい」と話しました。