JAガンバレ農業!
【第61回】

土づくりにこだわり美味しいブドウを
~真庭市上水田、西本哲哉さん~

(真庭市上水田)取材日:平成28年10月11日
出荷作業に勤しむ西本哲哉さんの写真

出荷作業に勤しむ西本哲哉さん

土づくりにこだわり食味を追求したブドウ栽培を手掛けているのが、真庭市上水田の西本哲哉さん(54)です。標高約350mに位置するほ場では、昼夜の寒暖差がありブドウ栽培に適するため、ニューピオーネを主力にシャインマスカットなど全4品種を約38aで栽培し、現在改植等を進めています。

父、尚美さんの写真

土づくりを哲哉さんに受け継ぐ父、尚美さん

こだわりは、土づくりです。「加工なく、ほとんどが生の状態で消費者の口に入る。何よりも食味にこだわり“モノ作り=ブドウ作り”をしている」と話すのは西本さんと、一緒に汗を流す父親の尚美さん(82)。収穫が終盤を迎えたこの時期からは、土づくりに4月末まで勤しみ、シバやカヤなどの腐食物を大量に投入した有機物が豊富に含まれた肥沃な土壌条件に仕上げていきます。「化学肥料ももちろん必要なものだが、何より大切なのはシバやカヤなどの腐食物。それで地力をあげることで、食味に違いも出てくると感じている」と西本さんは自信を見せます。シバやカヤだけで10aあたり約2t近くのものを投入するほどの力の入れようです。以前から、養蚕や葉タバコの栽培を営んできた尚美さんは、土づくりにおける腐食物の重要性を認識し、哲哉さんに受け継いできました。二人は「仕上がったブドウが日の目を浴びるのは、一年間で収穫時期の1か月~2か月程度。それ以外は、土づくりや剪定などの下準備がほとんどだ。その下準備こそがブドウの仕上がりを左右する」と口を揃え、モノ作りに対する熱い情熱を話しました。

就農約14年目を迎える哲哉さんは、サラリーマンからの転職組だ。岡山市でサラリーマンをしていた頃、不況のあおりを受け転職を余儀なくされました。その時、父親の尚美さんがすでに始めていたブドウ栽培を本格的に一緒にしようと就農を決意。農業に携わる中で、農業の良さも厳しさも噛みしめます。西本さんは「努力した分だけ見返りが農業にはあり、それが楽しみの一つでもある」と農業への魅力を話します。その一方で、西本さん親子は、「農家所得向上を目指し増反をしても、自信をもって提供できる今のモノづくりができるかは不明だ。今の品質維持向上のためにも、出来る限り長い間現状維持し、納得のいく“モノ作り=ブドウ作り”をしていきたい」と今後を見据えました。

作業場の写真

自宅出荷作業場には、一面にブドウが広がる。