JAガンバレ農業!
【第62回】

味のぶれないブドウを継続的に
~吉備中央町、加治敬陽さん~

(吉備中央町上竹)取材日:平成28年10月18日
肥料を配合する加治さんの写真

肥料を配合する加治さん

「就農して2年目と3年目にできたあの美味しいブドウの味が忘れられない。その味をコンスタントに引き出せる栽培をしたい」と様々な栽培方法に挑戦するのが、吉備中央町の加治敬陽(かじ・よしはる)さん(49)です。

加治さんは、東京出身で就農5年目。横浜のソフトウェア開発会社に勤務しプログラマーとして活躍後、将来独立を考えていたため手に職をつけようと造園業に転職しました。転機が訪れたのは、40歳の時。担い手確保育成などを手掛ける全国農業会議所が発行し、全国でI・U・Jターンをして一次産業で活躍する人を紹介したフリーペーパー「iju info」を駅で受け取ったことです。農業が仕事になること・就農フェアの存在を知り「農業なら独立ができる」と潜んできた独立心が湧いてきました。就農フェアに参加し、就農制度が充実していた岡山県での就農を決意し、8年前来岡。加治さんは「プログラマーや造園業でのノウハウを、農業でなら生かせるのではないか」と農業経営へ期待をかけています。

こだわりは、なんと言っても土づくり。落ち葉やカヤなどの有機物や堆肥を、なるべく大量にほ場に投入しています。山から集める落ち葉などの他に、ライ麦・イタリアングラスなどを栽培し、堆肥として追加投入します。これらの方法は、就農当時から継続して行っている方法で、今年はさらに、ヨーグルト・納豆・イースト菌などを培養した液体をかん水時に一緒に散布する方法を導入しました。加治さんによれば、土壌中の微生物を活性化し、有機物の分解を促すため、肥沃な土壌形成に繋がり、有機物に含まれる炭水化物をブドウが吸収しやすくなるといいます。結果として「その影響とは一概には言えないが、粒張りも良好で、色つきも良好な今年産だった」と振り返りました。

ほ場の写真

標高約311mに位置するほ場は栽培に適する。

さらに、前職でのノウハウも生かした経営であり、就農希望者を後押しする取り組みも欠かしません。「岡山太陽のそばの果樹園」と名付けた農園では、自分自身でホームページを開設運営し、JA出荷のほかFacebook等のSNSツール(=ソーシャルメディアサービス)でも販路を拡大しています。目を引くのがホームページ内にある就農移住者向けのページ。農地購入費用から補助金制度や販売経路、住居探しに至るまで就農・移住に必要なことをA3版一枚にまとめたチラシが掲載されています。その中には、就農者への加治さんからの適切なアドバイスも掲載。加治さんは「就農時に自分が教えてもらったことを、少しでも就農希望者の人に知ってもらいたい。このチラシがその一助になればと思い作成した」と今後の農業振興にも力を注いでいます。