JAガンバレ農業!
【第64回】

極早期親子分離で、県下屈指の和牛繁殖農家へ
~吉備中央町、孝本真二さん~

(加賀郡吉備中央町)取材日:平成28年10月31日
牛舎内の様子の写真

日頃牛舎や共進会などには、孝本さんの子どもたちも常に一緒。

加賀郡吉備中央町で県下屈指の和牛繁殖専業農家として確立を果たし、農業後継者及び地域の担い手として期待がかかるのが、孝本真二さん(38)です。

中国四国酪農大学校を卒業後、地元畜産関連会社に勤務する傍ら、父・一郎さん(72)が営む肉用牛経営に補助的に参画する中で就農を決意し、平成16年就農しました。就農後、各種事業を計画的に利活用して牛舎や飼料生産基盤を整備し、当初5頭であった肉用繁殖牛を現在54頭にまで増頭しました。現在、繁殖牛のほかに、肉用育成牛5頭、肉用子牛60頭を飼育し、自家製飼料作物を760aで作付し給餌しています。

増頭を果たしたのは、極早期での親子の分離と借腹による和牛生産体制を確立したためです。通常の肉用繁殖牛の分娩では約3ヶ月での親子の分離ですが、分娩後3日という極早期分離で人工哺育をすることで、親牛の発情を早期に促し、ほぼ一年一産を実現しています。さらに、子牛の事故率低下と、効率的に育成牛・繁殖牛へと成長させるため、1頭ごとに発育状態等を記した管理状況台帳を作成し、疾病の早期発見に役立てています。借腹による和牛生産体制でも先駆的に取り組み、町内外の酪農家と連携し、肉用牛の受精卵を乳用牛に移植することで、繁殖面の無駄を省き、販売頭数の増加を図り、より効率的な繁殖周期の実現や経営改善に繋げています。

落書きロールの展示の写真

地元小学生による落書きロールの展示で、
畜産と地域を結びつける。

近年購入飼料価格が高騰する中、購入飼料価格に左右されない安定した経営を実現するため、耕作放棄地等を借り受け、自給飼料生産や稲ワラの収集、放牧地の活用でコスト低減に努めています。JAが推進する稲子実発酵飼料もいち早く取り入れ、今後も利用増加を図ることで、地域農業の発展にも寄与する方針です。

人工授精師としても妻の智子さん(35)と揃って活動し、畜産農家から高い評価と信頼を受け、人工授精師協会及びJA和牛生産部会の要職を務めるなど、和牛繁殖界の若きリーダーと期待がかかります。一方で、地域和牛生産振興のみならず、地域を支える担い手のリーダーとしても活躍の場を広げ、青年農業者クラブの立ち上げや、異業種交流会、若手農業者の婚活イベントなど企画の基盤を構築し、リーダーシップを発揮しています。地域農業活性化のためも、和牛入門講座生徒の積極的な受入れや高齢畜産農家の牛を預かる支援活動を行っています。

巡回指導の様子の写真

支援チームによる巡回指導。

このような功績が称えられ、岡山県で農業の振興に貢献した青年農業者を対象に贈呈される賞である矢野賞を今年度受賞しました。

孝本さんは、「後継者増員がなかなか見込めない今、自らが農業者及び地域の担い手としてリーダーシップを発揮し、活躍していきたい」と今後を見据えました。