JAガンバレ農業!
【第67回】

人生の楽園を求め吉備中央町でブドウ作り
~吉備中央町、岸本圭司さん・邦子さん~

(加賀郡吉備中央町)取材日:平成29年3月29日
すくすく育つ野菜を前に笑顔いっぱいの岸本さん夫婦の写真

すくすく育つ野菜を前に笑顔いっぱいの岸本さん夫婦

「都会の喧騒から離れ、人生の楽園を求めて田舎暮らしがしたい」と岡山県加賀郡吉備中央町に移住しブドウ農家を営むのは、岸本圭司さん(58)と邦子さん(55)。就農6年目を迎える今年、「ニューピオーネ」を中心に全10品種を約40a、吉備中央町特産のブルーベリーや小松菜などの野菜を約15aで栽培に挑戦しています。

元々岡山市出身の岸本さんは、関西地方で不動産業に就職しその後転勤で東京へ移住。長年都会の喧騒の中、時間に追わる勤務が続き「このまま縁もゆかりもない土地で過ごすよりは、田舎でスローライフを送りたい」と夫婦で漠然と考えるようになりました。転機が訪れたのは49歳の時。「田舎で暮らすのなら定年もない農業をしてみたい」と東京で開かれた就農フェアに参加したのがきっかけで、吉備中央町とブドウ栽培に出会いました。

栽培を始めて農業の楽しみややりがいを見出しながら、田舎暮らしの醍醐味と充実感を実感しています。平成22年4月から行政が主催する新規就農実務研修でブドウ栽培について2年間学び、研修終了後は借地で栽培をしながら自分の園地の整備を進めてきました。今年からようやく自分の園地のみで栽培したブドウを収穫する予定です。

「今年もおいしいブドウを届けたい」と独自の出荷箱を手にする岸本さん夫婦の写真

「今年もおいしいブドウを届けたい」と独自の出荷箱を手にする岸本さん夫婦

岸本さんはJAへ大半を出荷する一方で、東京や関西などの知人からの販売要請にも応えています。農園を「ケイケイファーム」と名付け、飼い猫を店長としてイラストをあしらった専用の贈答箱を作りPRにも努めています。PRの効果もあり、品質の良さが口コミで広がり顧客やリピーターも年々増え、「栽培の様子を見学したい」と東京からほ場見学に来る人もいるほど定評があります。岸本さん夫婦は「基本を忠実に守りながら栽培することで、これからもお客さまに喜んでもらえるブドウをつくりたい」「楽しみにしてくれている人がいるのが、やりがいにつながる」と笑顔を見せました。

できるだけ長い収穫期間を考え、8月お盆明けから11月中旬まで出荷できるよう簡易被覆栽培だけでなくビニールハウス栽培にも挑戦しています。さらに今年から新たにホウレンソウや水菜などの野菜作りを始め、JA直売所かよう青空市などで販売し、農家所得向上につなげていく計画です。

岸本さん夫婦は「移住してブドウ農家になってよかった。全くの素人の私たちでもブドウを作れるまでになった。安定した品質確保と多くの消費者の笑顔のためにこれからも技術を夫婦で磨いていきたい」と今後を見据えました。

直売所で開かれた栽培講習会にも参加して作付したホウレンソウの写真

直売所で開かれた栽培講習会にも参加して作付したホウレンソウ